最近ニュースでよく聞く「物流の2024年問題」を理解してますか?
ざっくり言うと、2024年4月からトラックドライバーの労働時間に関する制限が強化されることに伴って発生する諸問題のこと、です。
トラック輸送業界は他の産業と比べ「賃金は約1割安い」上に「労働時間は約2割長い」とされ、トラック運転手は長時間労働を行い、低い賃金を残業手当や歩合給でカバーする構造が常態化しています。今回の労働時間制限強化にはトラック運転手の労働環境改善する狙いがありますが、一方で輸送力の不足やコスト上昇といったマイナス影響が出ると想定されています。具体的にはどういうことでしょうか?
物流の2024年問題のマイナス影響とは?
影響は大きく分けて2つです。(1)輸送力の不足、(2)コストの上昇、で相互に関連しています。
(1)輸送力の不足
輸送力が不足すると言われているのは、労働時間が制限されることで輸送業務に使える時間が減ってしまい、その分貨物が運べなくなる、というものです。
時間外労働は規制無し→年間960時間となります。また拘束時間は年間3,516時間→3,300時間(▲216時間・・・▲6%)。加えて1日の最大拘束時間が16時間→15時間(▲1時間)となります。このため、車両稼働や長距離輸送回数の減少を招き車両が集まらなくなる=貨物が運べなくなる、ということが見込まれております。
(2)コストの上昇
制限の強化により輸送力は減るが貨物量は変わらないため、この不足分を補おうとすると新たな運転手やトラックを新たに調達することとなります。その分が輸送コストUPに繋がります。また歩合制が多いトラック運転手はこの制限により働く時間や運べる物量が減ってしまう=収入減となってしまうため雇用維持のために賃金UPさせる必要があります。その分も輸送コストUPに繋がります。
考えられる具体的な対応策とは?
この問題を解決するための対応策は大きく2つ考えらます。
(1)限られた輸送力を効率的に使う
- 1便当たりの輸送効率の向上(実車率・積載率の向上)
- 1便当たりの輸送能力の向上(トラック→トレーラー。トレーラー→ダブル連結トラック)
- 減便や貨物集約による輸送回数の削減
- モーダルシフト(トラック→鉄道・船舶輸送への切り替え)
(2)制限された労働時間内で終了するように調整する
- 輸送業務の最適化(輸送ルート最適化や付帯作業の簡素化など)
- 積み下ろし順番待ち時間の短縮
- 荷役作業時間の短縮もしくは荷役条件の変更(自主荷役→車上受け車上渡し)
- 運転時間の短縮(積み下ろし立ち寄り箇所の減。また全線高速道路活用など)
以上です。これらの取り組みは物流業者だけでは実現が難しいため、荷主やエンドユーザー、物流元請会社の協力が必要となります。
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